「姿勢をよくしなきゃ」
そう思って、背筋を伸ばしたり、胸を張ったり、お腹に力を入れたりしていませんか?
鏡に映った自分を見て、丸くなった背中や前に出た頭が気になり、慌てて姿勢を正す。
その瞬間は、きれいな姿勢になったように見えるかもしれません。
でも、少し時間が経つと元に戻ってしまう。
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
美しい姿勢は頑張って「つくる」ものではありません。
大切なのは、見た目だけを正しい形に合わせることではなく、
身体が無理なく働ける状態に整えていくこと。
今回は、「身体を整える」ということについてお話しします。
「いい姿勢」を頑張ってつくっていませんか?
「姿勢をよくする」と聞くと、
背筋を伸ばす。
胸を張る。
お腹に力を入れる。
そんな姿勢を思い浮かべるかもしれません。
けれど、
それをずっと続けようとすると、疲れてしまいませんか?
身体のどこかを固めて姿勢を保っていると、一見きれいに見えても、
それがその人にとって心地よい姿勢とは限りません。
本来、私たちの身体はじっと固まっているものではありません。
呼吸をすれば肋骨が動き、立ったり歩いたりすれば足から身体へ力が伝わり、背骨や骨盤も動きながらバランスをとっています。
だから姿勢を考えるときも、**「形」だけではなく、「身体がどう働いているか」**を見ることが大切です。
姿勢は、身体全体のつながりから生まれる
姿勢が気になると、つい背中や肩だけに目が向きます。
でも、身体は一部分だけで働いているわけではありません。
例えば、足。
私たちが立っているとき、身体と床が接しているのは足です。
足でどのように床を捉えているかによって、その上にある膝や骨盤、背骨にも影響します。
そして骨盤。
骨盤の上には背骨があり、その上には頭があります。
さらに呼吸をすると胸郭が動き、背骨や骨盤とも連動します。
肩甲骨も胸郭の上にあり、腕や肩の動きに関わっています。
足、骨盤、呼吸、胸郭、背骨、肩甲骨。
それぞれは別々ではなく、つながりながら身体を支えています。
だから、
「猫背だから胸を張る」
「お腹が出ているから力を入れる」
と、一部分だけを直そうとするのではなく、
なぜ今、この姿勢になっているのだろう?
と身体全体を見ることが大切なのです。
身体を整えると、姿勢は「結果」として変わっていく
crescentが考える「身体を整える」は、身体を正しい形にはめ込むことではありません。
足で心地よく立てる。
呼吸に合わせて肋骨が動く。
背骨がしなやかに動く。
必要なときに、必要なところに力が入る。
身体のそれぞれが無理なく働ける状態をつくっていくことです。
そうすると、頑張って胸を張ったり、お腹を固めたりしなくても、身体は少しずつ変わっていきます。
つまり、
美しい姿勢を先につくるのではなく、身体が整った結果として、その人らしい姿勢が現れてくる。
私はそんなふうに考えています。
まず「今の身体を知る」ことから
身体を整えようと思ったとき、すぐに、
「何をしたらいいですか?」
「どんなストレッチをしたらいいですか?」
と、方法を探したくなるかもしれません。
もちろん、身体を動かすことは大切です。
でも、その前に一度、
「今の私の身体は、どうなっているんだろう?」
と見てみる。
右と左では立ちやすさが違う?
呼吸をしたとき、肋骨は動いている?
肩にいつも力が入っていない?
背骨は気持ちよく動かせる?
疲れているのに、さらに身体を頑張らせていない?
こうして自分の身体に目を向けることも、身体を整える第一歩です。
誰かにとって良い運動が、今の自分にも必要とは限りません。
大切なのは、たくさんのセルフケアを知ることではなく、今の自分に何が必要なのかを少しずつ分かるようになることだと思っています。
40代・50代からは、身体との付き合い方も変えていく
40代、50代になると、若い頃には気にならなかった身体の変化を感じることがあります。
だからこそ、
「もっと頑張らなきゃ」
「衰えないように鍛えなきゃ」
と、自分に何かを課すだけではなく、
今の身体を知り、今の自分に必要なものを選ぶ。
そんな身体との付き合い方があってもいいのではないでしょうか。
動いた方が心地よい日もあれば、休んだ方がいい日もある。
しっかり身体を使う日もあれば、ゆっくり呼吸して身体を緩める日もある。
身体の状態は毎日同じではありません。
自分の身体を知ることができれば、「今日は何をしたらいい?」を誰かに決めてもらうだけではなく、
「今の私には、これが必要」
と自分で選べるようになっていきます。
身体を整えることは、自分を丁寧に扱うこと
自分の身体を、
「ここが悪い」
「ここを直さなきゃ」
と、直すべきものとして見るのではなく、
まず今の身体を知ってあげる。
そして、その身体に必要なものを選んであげる。
それは、自分自身を丁寧に扱うことにもつながっていると思います。
若い頃の身体に戻ることを目指すのではなく、今の自分の身体と付き合いながら、これから先も心地よく動ける身体を育てていく。
crescentが大切にしているウェルエイジングも、そんな考え方です。
年齢を重ねるほど、自分を丁寧に扱う。
身体を整えることは、そのための一つの方法なのだと思います。

